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特集 造血器腫瘍の遺伝子パネル検査の臨床的意義――診断精度向上,予後層別化,個別化治療への応用
【総論】
造血器腫瘍に関連する生殖細胞系列の病的バリアント
Germline pathogenic variants associated with hematologic malignancy
加藤 元博
1
Motohiro KATO
1
1東京大学医学部附属病院小児科
キーワード:
造血器腫瘍
,
遺伝性骨髄不全症候群(IBMFS)
,
二次的所見
Keyword:
造血器腫瘍
,
遺伝性骨髄不全症候群(IBMFS)
,
二次的所見
pp.1122-1125
発行日 2025年6月21日
Published Date 2025/6/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293121122
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造血器腫瘍では,従来の認識よりもはるかに広範囲で生殖細胞系列の病的バリアントが造血器腫瘍の病態と関連していることが明らかとなった.遺伝性骨髄不全症候群(IBMFS)などの併発症状を伴うものや,家族性の造血器腫瘍だけでなく,孤発例の造血器腫瘍でも生殖細胞系列の病的バリアントと関連して発症していることがある.そのような生殖細胞系列の病的バリアントを同定し,正しく解釈することは,患者の治療方針だけでなく,サーベイランスや適切なドナー選択にも寄与し,臨床的に有用である.遺伝子パネル検査(ゲノムプロファイリング検査)の承認により,診療の現場でも,このような造血器腫瘍に関連する生殖細胞系列の病的バリアントに遭遇する機会が多くなると想定される.“造血器疾患の遺伝的背景” についての知識と経験を持った医療者がチームに加わって診療できる体制が望ましい.

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