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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
心筋症の全ゲノム解析
Analysis of cardiomyopathy using whole genome sequencing
朝野 仁裕
1,2,3,4
,
宮下 洋平
1,2,4
Yoshihiro ASANO
1,2,3,4
,
Yohei MIYASHITA
1,2,4
1国立循環器病研究センター病院ゲノム医療部門ゲノム医療支援部
2同オープンイノベーションセンターバイオバンク
3同メディカルゲノムセンター
4大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
一塩基多型(SNV)
,
欠失・挿入(Indel)
,
コピー数多型(CNV)
,
短鎖型全ゲノムシーケンス
,
長鎖型全ゲノムシーケンス
,
GRAND-STAR NEXT
Keyword:
一塩基多型(SNV)
,
欠失・挿入(Indel)
,
コピー数多型(CNV)
,
短鎖型全ゲノムシーケンス
,
長鎖型全ゲノムシーケンス
,
GRAND-STAR NEXT
pp.74-81
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850174
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心筋症は病勢の進行に伴い “心不全” という共通の表現型を示すが,その発症時期,重症化の程度には症例ごとに差異がある.ゲノム解析により病原性バリアントを同定することができれば,病態の層別化および遺伝学的情報に基づく個別の治療介入が可能な場合がある.一方で,心筋症(特に拡張型心筋症)は遺伝的異質性(genetic heterogeneity)が高く,その病原性バリアントの同定は困難である場合が多い.従来,全エクソーム解析を用いた研究が進められてきたが,アミノ酸翻訳(CDS)上の一塩基多型(SNV)や欠失・挿入(Indel)評価のみでは原因バリアント同定率は20~30%にとどまる.そこで短鎖型・長鎖型の全ゲノム解析技術を用いて,deep intron領域を含むSNV評価,均質なカバレッジデータを背景に,高精度なコピー数多型(CNV)/構造多型(SV)評価を行った.これらの取り組みにより既知遺伝子,既知バリアントの同定精度が上がっただけでなく,未知の遺伝子,バリアント候補についても探索することが可能になった.
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