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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
遺伝性網膜疾患のゲノム解析
Whole genome analysis of inherited retinal diseases
須賀 晶子
1
,
吉武 和敏
2
,
岩田 岳
1
Akiko SUGA
1
,
Kazutoshi YOSHITAKE
2
,
Takeshi IWATA
1
1国立病院機構東京医療センター臨床研究センター分子細胞生物学研究部
2東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物工学研究室
キーワード:
遺伝性網膜疾患
,
全ゲノム解析
,
網膜色素変性
,
黄斑ジストロフィー
Keyword:
遺伝性網膜疾患
,
全ゲノム解析
,
網膜色素変性
,
黄斑ジストロフィー
pp.67-72
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850167
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遺伝性網膜疾患は,網膜色素変性や黄斑ジストロフィーを含む遺伝子変異が原因で発症するさまざまな眼科疾患の総称である.筆者らは,2011年から国内の38施設を含むJapan Eye Genetics Consortium(JEGC)を設立して全エクソーム解析による日本人患者の原因遺伝子の解明を行ってきたが,既知遺伝子変異が疾患原因と考えられたのは解析対象の4割以下の家系であった.そこで,2020年からは原因が同定できなかった患者を中心に全ゲノム解析を行い,全エクソーム解析では検出できないイントロン領域,遺伝子発現調節領域,大規模な構造変異を含めて解析を行っている.次世代シークエンス技術を用いた遺伝性網膜疾患の原因遺伝子解析は世界各地で行われており,従来いわれてきた遺伝的異質性だけでなく,地域・人種による原因遺伝子の偏りも示唆されている.日本人を対象にした大規模解析が,今後の治療方法の開発につながることを期待している.
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