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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
胸部大動脈瘤・解離の遺伝子解析とゲノム医療
Clinical impact of genomic testing in thoracic aortic aneurysm and dissection
武田 憲文
1
Norifumi TAKEDA
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
遺伝子パネル検査
,
コピー数多型(CNV)
,
マルファン症候群(MFS)
,
ロイス・ディーツ症候群(LDS)
,
非症候群性大動脈瘤・解離症
Keyword:
遺伝子パネル検査
,
コピー数多型(CNV)
,
マルファン症候群(MFS)
,
ロイス・ディーツ症候群(LDS)
,
非症候群性大動脈瘤・解離症
pp.1223-1228
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141223
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胸部大動脈瘤では約20%に家族歴があり,遺伝子解析技術の進歩によって疾患関連性の高い遺伝子が次々と報告され,ゲノム情報をいかに日常臨床や遺伝カウンセリングに活用するかが重要な課題となっている.わが国においても2016年4月以降,遺伝性大動脈疾患の主要遺伝子について診断のための遺伝学的検査が保険収載され,若年だけでなく中高年者の動脈解離の患者に病的変異がみつかることも増えている.外見だけでは診断や遺伝性の把握が困難な非症候群性大動脈瘤・解離の場合には,自然経過も十分に知られていないため,ゲノム診療のニーズ・有効性は高いと考えられ,さらには診断のみならず,遺伝子型と表現型や重症度との関係性について新たな知見が次々と報告されている.本稿では,遺伝性胸部大動脈瘤・解離症(HTAAD)に対するゲノム医療の現状と最近の進歩について,遺伝学的検査前後の遺伝カウンセリングの重要性とともに概説する.
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