難病の全ゲノムに関する実証事業

The demonstration project of the genomic infrastructure for the whole genome sequencing of rare diseases

　2021年度から，難病および未診断の患者を対象とし，研究・医療両面からよりよい医療につながるゲノムデータ基盤の構築につなげていくため，その具体的な方法などについて実証を行うことを目的とし，“難病の全ゲノム解析等実証事業” が開始された．具体的には，協力医療機関から難病と臨床診断され，研究参加の同意が得られた症例を対象に全ゲノム解析を行い，その解析結果を患者に返すという一連の流れを実際に行い，各工程の課題を抽出し，検討を行ってきた．本稿では，実証事業で構築した解析の流れと，検討してきた事項について述べる．