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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
社会実装に向けた取り組み
オミクス解析の出口戦略
-――全ゲノム解析等実行計画
Exit strategies for omics analysis
――Action Plan for Whole Genome Analysis
土原 一哉
1
Katsuya TSUCHIHARA
1
1国立がん研究センター先端医療開発センター
キーワード:
全ゲノム解析
,
厚生労働省
,
患者還元
,
産業育成
,
創薬
Keyword:
全ゲノム解析
,
厚生労働省
,
患者還元
,
産業育成
,
創薬
pp.914-919
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090914
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オミクス解析の臨床応用と社会実装が進むなか,日本では厚生労働省が「全ゲノム解析等実行計画」を推進している.本計画は,全ゲノム解析データを基盤に,研究と実用化を両立させることで,がんや難病の克服を目指す.Genomics Englandの成功例を参考に,参加医療機関からの検体,データ提供,解析,患者還元のフローとともに産学コンソーシアムによるゲノム情報の利活用,新規治療法の開発を支援する体制を整備する.本計画では,ゲノム解析による予防,診断,治療の向上を掲げ,特に小児がんや希少がんでの臨床研究を優先する.一方で,検査の質保証,標準化,医療現場への負担軽減といった課題も多く,創薬のための真に有効なデータセットの確立に向け,効果的な運用が求められる.2025年度には事業実施準備室が事業実施組織へと改編される予定である.

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