Japanese
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特集 肝線維化とバイオマーカー
NAFLDにおけるNASH/肝線維化診断バイオマーカーの現状と展望
Current status and prospects for diagnostic biomarkers of NASH/liver fibrosis in NAFLD
小玉 尚宏
1
Takahiro KODAMA
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
肝線維化
,
トロンボスポンジン2
,
THBS2
,
TSP-2
Keyword:
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
肝線維化
,
トロンボスポンジン2
,
THBS2
,
TSP-2
pp.935-940
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28412935
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世界人口の約25%が罹患する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のなかで,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は線維化が進行し,肝硬変や肝癌の発症へと至る重篤な疾患である.NAFLD診療においては,NASHや生命予後と強く関連する肝線維化進展例を診断できる非侵襲的バイオマーカーが求められている.筆者らは最近,トランスクリプトーム解析の手法を用いて,新規血清バイオマーカー候補のトロンボスポンジン2(TSP-2)を同定した.TSP-2は,NAFLD患者において高い精度でNASHや肝線維化進展例ならびに肝癌・肝硬変合併症高リスク群を同定しえた.また,TSP-2は肝内での炎症ならびにコラーゲン産生に関与し,NAFLDの病態進展において重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
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