Japanese
English
特集 NAFLD/NASHの診断と治療――ガイドラインの改訂点と問題点
NAFLD/NASHの疫学と今後の予想
Epidemiology and future prospects of NAFLD/NASH
小野 正文
1
,
大野 秀樹
1
,
徳重 克年
2
Masafumi ONO
1
,
Hideki OHNO
1
,
Katsutoshi TOKUSHIGE
2
1東京女子医科大学東医療センター内科
2東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
有病率
,
肥満
,
非肥満
,
疫学
,
小児
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
有病率
,
肥満
,
非肥満
,
疫学
,
小児
pp.515-520
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27707515
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)はメタボリックシンドロームとの関わりが強いため,近年では同病態に関連する診療科の医師たちからもその重要性が注目されるようになってきた.わが国のNAFLD有病率は29.7%と増加傾向で,男性41.0%,女性17.7%と男性の有病率が高い.世界的には,NAFLDの有病率は全世界で25.24%,アジアで27.37%,中東で31.79%,北米で24.13%,南米で30.45%,ヨーロッパで23.71%,そして,アフリカでは13.48%と報告されている.また,小児NAFLDの有病率は7.6%と報告されている.わが国の非肥満NAFLDの有病率は,2002年が11.2%,2014年が15%で,アジア諸国での有病率は(7~20%)で,欧米(10%前後)よりも高率であり,男性(37.11%)が女性(22.60%)よりも有病率が高く,欧米諸国の報告でも男性有意である.NAFLDからの肝発癌率はC型肝炎よりも低率で0.44/1,000人・年である.一方,肝病態の進展とともに発癌リスクは上昇し,NASHでは5.29/1,000人・年とされている.また,NAFLD患者では大腸腺腫の発生頻度が一般人口と比較して1.5~1.7倍に増加し,男性の大腸癌のハザード比が2.01,女性の乳癌のハザード比が1.92と発症頻度が増加する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.