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第1土曜特集 肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線
各論
その他の肺高血圧症
-――門脈肺高血圧症とHIV感染に伴う肺高血圧症
Other pulmonary hypertension
――Portopulmonary hypertension and HIV-associated pulmonary hypertension
小山 雅之
1
Masayuki KOYAMA
1
1札幌医科大学医学部公衆衛生学講座,同循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座
キーワード:
門脈肺高血圧症(PoPH)
,
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
肝移植
Keyword:
門脈肺高血圧症(PoPH)
,
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
肝移植
pp.370-373
発行日 2023年2月4日
Published Date 2023/2/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405370
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門脈肺高血症(PoPH)は肺動脈性肺高血圧症(PAH)のなかでは4番目に頻度が多いとされるが,診断が困難な場合があり,初見することの多い肝臓専門医との連携が早期発見の鍵となる.診断には経胸壁心エコー図検査(TTE),右心カテーテル検査(RHC)が重要であり,特に後者の実施時には,肝静脈圧較差(HVPG)の測定が診断の一助になる.肝移植の適応については近年,“mPAP<35mmHgかつPVR<5WU”,または “mPAP 35~45mmHgかつPVR<3WU” といった基準が提唱されており,移植を目指す症例については,上記いずれかの目標を達成するためにPAH治療薬の併用を検討する.ヒト免疫不全ウイルス感染に伴うPAH(PAH-HIV)は他のHIV関連心疾患と比較するとまれである.特に,PAH治療薬と抗ウイルス薬との薬物相互作用に特に留意する必要があり,単剤での効果を確認しながら,慎重に治療にあたるべきである.
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