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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSとその治療の新展開
薬剤耐性HIVの現状と課題
Current status and issues of drug-resistant HIV
杉浦 亙
1
,
竹内(柴田) 潤子
1
,
菊地 正
2
Wataru SUGIURA
1
,
Junko SHIBATA-TAKEUCHI
1
,
Tadashi KIKUCHI
2
1国立国際医療研究センター臨床研究センター
2国立感染症研究所エイズ研究センター
キーワード:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
薬剤耐性
,
遺伝子検査
Keyword:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
薬剤耐性
,
遺伝子検査
pp.657-661
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409657
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ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症/後天性免疫不全症候群(AIDS)はかつて “死の病” として恐れられてきたが,1996年の多剤併用療法(cART)の導入により感染者の予後は著しく改善され,死者数は減少した.また治療の普及は感染予防にも有効であり,新規感染者数も減少しつつある.多剤併用療法の普及とともに,薬剤耐性HIVが治療の障害として課題となってきた.治療薬の進歩とともに薬剤耐性の選択は抑えられてきたが,治療に難渋する症例は報告されており(1.6%),また新規感染者の8~10%は薬剤耐性変異を有しており,薬剤耐性の問題が解決したわけではない.また,生涯に及ぶ治療の継続は常に薬剤耐性HIVが選択されるリスクを孕んでおり,今後も薬剤耐性の選択に注視していくことが必要である.
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