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第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
構造解析から創薬へ
タンパク質立体構造に基づいた抗ウイルス薬の創製戦略
Structure-based drug design for anti-viral drug development
安楽 佑樹
1
,
喜多 俊介
1
,
前仲 勝実
1
Yuki ANRAKU
1
,
Shunsuke KITA
1
,
Katsumi MAENAKA
1
1北海道大学大学院薬学研究院,バイオサーフィス創薬グローバルステーション
キーワード:
Structure-based drug design(SBDD)
,
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
SARSコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)
,
X線結晶構造解析
,
クライオ電子顕微鏡解析
Keyword:
Structure-based drug design(SBDD)
,
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
SARSコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)
,
X線結晶構造解析
,
クライオ電子顕微鏡解析
pp.532-538
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806532
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Structure-based drug design(SBDD)は強力な標的阻害活性を示すリード化合物を,より迅速かつ費用対効果の高い方法で発見することを目的とした新規治療薬創製のアプローチのひとつである.X線結晶構造解析や核磁気共鳴法(NMR),クライオ電子顕微鏡解析といった手法で得られたタンパク質の立体構造は薬剤が結合可能なポケットを可視化し,薬剤開発への重要な知見を与える.SBDDによって開発された薬剤の代表例として,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対抗するプロテアーゼ阻害薬があげられる.後天性免疫不全症候群(AIDS)関連死亡者数を大きく減少させることに成功したプロテアーゼ阻害薬は,以後の創薬戦略に大きな影響を与えた.2019年末に出現したSARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)では驚異的な速さで創薬標的分子の立体構造が決定され,抗ウイルス薬の開発が進められている.本稿では抗HIV薬の開発を例にあげてSBDDについて概説し,さらにSARS-CoV-2に対する取り組みについて触れていきたい.
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