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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSとその治療の新展開
HIV/AIDSの “治癒” を求めて
Combat toward the cure of HIV/AIDS
前田 賢次
1
Kenji MAEDA
1
1鹿児島大学ヒトレトロウイルス学共同研究センター抗ウイルス療法研究分野
キーワード:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
HIV潜伏感染
,
リザーバー細胞
,
治療戦略
Keyword:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
,
HIV潜伏感染
,
リザーバー細胞
,
治療戦略
pp.726-730
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409726
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ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)/後天性免疫不全症候群(AIDS)の発見から40年近くがたった今,多剤併用療法(cART)により患者の予後は飛躍的に改善し,AIDSは致死的な疾患から治療可能な慢性感染症となった.これまでに有効かつ安全性の高い新規の抗HIV薬が次々と開発されており,国連合同エイズ計画(UNAIDS)は,治療薬の普及や診断率の向上などによりAIDSの流行を終わらせることを目標としている.一方で,cARTは患者体内で産生されるウイルスを検出限界以下に減らすことはできても,患者細胞内の遺伝子に組み込まれたHIVプロウイルスを排除することはできないため,治療薬の中断後にふたたびウイルスを産生することとなる.本稿では,このようななかで近年,HIVの根治(cure)を目指したリザーバー細胞(HIV潜伏感染細胞)を標的とした治療開発について述べる.
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