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特集 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)研究における最新知見――感染経路,病態,予防,治療
高度弱毒化痘そうワクチン株LC16m8をベースとしたSFTSワクチン開発
Development for SFTS vaccine based on a highly attenuated smallpox vaccine strain LC16m8
吉河 智城
1
Tomoki YOSHIKAWA
1
1国立感染症研究所ウイルス第一部
キーワード:
組換えワクチン
,
ワクシニアウイルス
,
SFTS
,
LC16m 8
Keyword:
組換えワクチン
,
ワクシニアウイルス
,
SFTS
,
LC16m 8
pp.137-141
発行日 2023年1月14日
Published Date 2023/1/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28402137
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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,致命率が高いダニ媒介性のSFTSウイルスによる感染症である.人獣共通感染症であるためウイルスの撲滅は困難であり,ゆえに有効な治療法,予防法の開発は重要である.本稿では筆者らが研究している,ワクシニアウイルスをベクターとして用いたSFTSワクチンについて紹介する.ワクシニアウイルスは痘そう(天然痘)ワクチンとして世界的に使用されたが,実はさまざまなウイルス株が存在する.そのなかでも特に高度に弱毒化された痘そうワクチン株は第三世代痘そうワクチン株とされ,痘そうワクチン以外のさまざまな感染症に対する組換えワクチンとしての応用が期待されている.日本で樹立された第三世代痘そうワクチン株LC16m8(m8)は,以前より痘そうワクチンとして,最近ではサル痘ワクチンとして国内で承認されている.本稿では,このm8にSFTSウイルスの構造遺伝子を導入した組換えm8を作製し,そのワクチン効果をマウスのSFTSモデルを用いて検討した結果を紹介する.
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