特集 今この研究が面白い!
第5章 感染症
[エムポックス(Mpox)]MpoxワクチンLC16m8の安全性と有効性
氏家 無限
1
1国立国際医療研究センター 国際感染症センター
キーワード:
サル痘
,
天然痘
,
エムポックス(Mpox)
,
LC16m8
Keyword:
サル痘
,
天然痘
,
エムポックス(Mpox)
,
LC16m8
pp.544-546
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_544
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
・サル痘ウイルスは1958年に初めて発見され,1970年にヒトへの感染が報告された.
・2022年5月,欧州で主に男性同性間性的接触者(MSM)間でエムポックス(Mpox)が急速に拡大し,WHOは同年7月に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言した.
・全体の致死率は約0.2%と低いが,免疫不全患者では重症化および死亡のリスクが上昇する.
・予防にはワクチン接種が重要であり,本邦で承認されたLC16m8ワクチンは有効な手段となりうる.研究では,免疫不全状態にないHIV感染者を含むMpox感染の高リスク者に対するLC16m8の曝露前接種の有効性と安全性が評価され,重大な安全性の懸念は示されなかった.これにより,免疫不全状態にないハイリスク者を中心に,国内外でのMpoxの感染対策においてLC16m8の活用が促進されることが期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2024