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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Viral vector】
ワクシニアウイルスベクターワクチンの設計
Design of vaccinia virus vector vaccine
安井 文彦
1
Fumihiko YASUI
1
1公益財団法人東京都医学総合研究所疾患制御研究分野感染制御プロジェクト
キーワード:
ワクシニアウイルス
,
高度弱毒化株
,
相同組換え
,
ゲノム編集
Keyword:
ワクシニアウイルス
,
高度弱毒化株
,
相同組換え
,
ゲノム編集
pp.1027-1034
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279101027
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ワクシニアウイルスは,痘瘡ワクチンとして天然痘の根絶に多大な貢献を果たした.1980年5月に世界保健機関(WHO)が天然痘の根絶宣言を行って以降,現在まで天然痘患者は発生していない.一方で,最も大きなゲノムをもつウイルスのひとつであり,比較的な大きな外来遺伝子を挿入することができることに加え,安全性が高く,免疫誘導能が高いことから,さまざまな感染症ワクチンのウイルスベクターとしての利用が検討されるようになった.加えて,温度管理が容易であることも世界中にワクチンを届けるうえで非常に重要な利点である.また,腫瘍溶解性治療ワクチンとしても活用されはじめている.ここでは,ワクシニアウイルスの特性と歴史,感染症ワクチンウイルスベクターおよび腫瘍溶解性療法としての開発状況,今後の展開について言及したい.
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