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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
大きく変貌する循環器疾患の診療と研究
新たな心筋再生技術
-――ダイレクトリプログラミング
Direct reprogramming as a novel therapeutic strategy for heart regeneration
村岡 直人
1
,
家田 真樹
2
Naoto MURAOKA
1
,
Masaki IEDA
2
1ワシントン大学病理学
2筑波大学医学医療系循環器内科
キーワード:
ダイレクトリプログラミング
,
誘導心筋細胞(iCMs)
,
心筋再生
,
線維芽細胞
Keyword:
ダイレクトリプログラミング
,
誘導心筋細胞(iCMs)
,
心筋再生
,
線維芽細胞
pp.1425-1431
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141425
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標準的薬物治療に抵抗性の重症心不全に対しては心臓移植が最終的な治療法となるが,わが国では移植ドナーの不足が深刻である.そこで,心臓移植に代わる治療法として再生医療への注目が集まっている.自己複製能と多分化能を有する多能性幹細胞(PSCs)は,目的とする細胞を大量に作製できることから心筋再生の細胞源として期待されるが,腫瘍形成のリスク,移植細胞の生着性などの課題が残されている.筆者らが開発したダイレクトリプログラミングは,心臓に内在する線維芽細胞を直接心筋細胞に分化転換する新たな心筋作製技術である.細胞移植を必要としない本技術は前述の課題を解決できる可能性があることから,世界中で活発に研究され,臨床応用に向け大きく前進してきた.本稿では,リプログラミング因子の発見からこれまでの発展,さらには今後の展望について概説する.
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