特集 心臓造形生物学:Heartができるメカニズム
心臓線維芽細胞と心筋細胞 心臓発生における心臓線維芽細胞の役割と心筋直接誘導
家田 真樹
1
1慶応義塾大学 医学部臨床分子循環器病学講座・循環器内科
キーワード:
再生
,
細胞外基質
,
心筋
,
線維芽細胞
,
器官形成
,
再生医学
,
細胞増殖
,
心筋細胞
,
核の再プログラミング
,
細胞分化転換
,
Human MIRN133 MicroRNA
Keyword:
Fibroblasts
,
Extracellular Matrix
,
Myocardium
,
Regeneration
,
Myocytes, Cardiac
,
Organogenesis
,
Regenerative Medicine
,
Cell Proliferation
,
Cell Transdifferentiation
,
Cellular Reprogramming
,
MIRN133 MicroRNA, Human
pp.1121-1125
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
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これまで心臓線維芽細胞の役割は重要視されず,ほとんど研究されてこなかったが,近年の研究により,胎児期の心臓線維芽細胞から特異的に分泌される細胞外基質関連因子や成長因子が心筋細胞増殖や心臓発達に重要な役割を担っていることがわかってきた.また,心筋細胞は終末分化細胞で再生できないため,障害を受けた心臓部位では線維芽細胞が増殖し,心不全に至る.そのため心臓再生医療は心疾患に対する新しい治療として期待され,iPS細胞をはじめとした幹細胞はその有力な細胞源として活発に研究が行われている.一方,心筋細胞移植法に対して,筆者らは心筋と線維芽細胞の相違に着目し,心臓内の非心筋細胞(線維芽細胞)を直接心筋細胞に分化転換する心筋直接リプログラミング研究を行っている.本稿では,胎児期心臓線維芽細胞の発生における役割と,最近の心筋直接リプログラミング研究の進展および今後の課題について概説する.
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