Japanese
English
特集 生体内リプログラミングによる個体生命機能の制御
ダイレクトリプログラミングによる心筋再生
Cardiac regeneration by direct reprogramming
仲野 晃司
1
,
貞廣 威太郎
1
,
家田 真樹
1
Koji NAKANO
1
,
Taketaro SADAHIRO
1
,
Masaki IEDA
1
1筑波大学医学医療系循環器内科
キーワード:
線維芽細胞
,
心筋細胞
,
心筋再生
,
再生医療
Keyword:
線維芽細胞
,
心筋細胞
,
心筋再生
,
再生医療
pp.853-858
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28411853
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心血管疾患は世界的に主要な死因のひとつであり,日本では悪性腫瘍に次ぐ第2位となっている.成熟した心筋細胞は自己複製能がないため,虚血性心疾患や心不全などの心疾患で壊死した心筋細胞は,線維芽細胞に置換され瘢痕化する.心臓の線維化・瘢痕化は心機能の低下および致死的不整脈の発症につながる.薬物療法などによる治療で改善が見込めない場合は心臓移植が最終手段となるが,わが国ではドナー不足の問題で広く普及していない現状があり,新たな治療戦略として心筋再生に注目が集まっている.人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた心筋再生が期待されているが,幹細胞による腫瘍形成の可能性や生着率の低さが問題点として存在する.遺伝子治療によって線維芽細胞から心筋細胞へ直接誘導することができれば,これらの問題点を解決することができる.筆者らは,iPS細胞とは異なるアプローチの心筋再生法として,心臓線維芽細胞を心筋細胞に直接分化転換させる “心筋ダイレクトリプログラミング” の研究を行っている(図1).
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