綜説
再生医療の小児領域における可能性と次世代の再生医療
本間 順
1
1東京女子医科大学先端生命医科学研究所
キーワード:
再生医療
,
組織工学
,
心筋再生
,
小児再生医療
Keyword:
再生医療
,
組織工学
,
心筋再生
,
小児再生医療
pp.253-262
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002510
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再生医療は,自己再生能を上回る傷害を,細胞を利用して再生を促す医療である.治療効果の機序は3つあり,臨床研究の多くは移植細胞分泌因子の組織修復効果(パラクライン効果)によるものだが,多くのファクターで再生効果は変わる.なかでも組織工学的手法を取り入れることで再生効果を向上させる研究が進んでいる.また,パラクライン効果は低年齢で再生効果が高いことが示されつつあり小児患者への応用が期待される.臓器移植の代替療法としては,傷害組織を再生組織で補填する方法が望ましいが,厚い組織には栄養血管網の導入が必須である.そのため,次世代の再生医療としてマテリアル開発や遺伝子工学との融合研究が進んでいる.
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