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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
大きく変貌する循環器疾患の診療と研究
オンライン管理型心臓リハビリテーションの将来展望
Future prospects for telerehabilitation cardiac rehabilitation
谷口 達典
1
Tatsunori TANIGUCHI
1
1株式会社リモハブ,大阪大学国際医工情報センター
キーワード:
心臓リハビリテーション
,
オンライン
,
遠隔医療
Keyword:
心臓リハビリテーション
,
オンライン
,
遠隔医療
pp.1405-1409
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141405
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循環器病対策推進基本計画(以下,基本計画)は,「脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」に基づき策定された,国の循環器病対策の基本方向について明らかにするものである.この基本計画のなかに,保険,医療および福祉に係るサービスの提供体制の充実をはかる分野のひとつとして,“リハビリテーションなどの取り組み” があげられる.現在,わが国におけるリアルワールドでの心臓リハビリテーションの実施率はきわめて低い.特にガイドラインを遵守した形での実施に至っては壊滅的な状況である.その背景にある大きな障壁のひとつに,自宅から医療機関へのアクセスの問題がある.心臓リハビリは,ガイドライン上もクラスⅠに位置づけられており,健康寿命の延伸および循環器病の克服を達成するためには,実施率の改善は喫緊の課題である.一方で近年,通信社会基盤が発達し,インターネットを活用した遠隔医療が実施可能となってきた.このような新しい情報技術を応用した医療は,欧米ではe-Health(electronic health records telemedicine)やtelemedicineとよばれる.これによって,在宅での患者の見守りや介入といった研究開発が世界各国で進められている.特に,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は遠隔医療の必要性を後押しし,日本でもオンライン診療が拡大する機運が高まってきている.本稿では,心臓リハビリにおける低い実施率に対するソリューションとなりうるオンライン管理での心臓リハビリについて,筆者らの経験も交えて最新の知見を概説したい.
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