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はじめに
2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行により,われわれを取り巻く社会状況が一変し,生活における行動変容を余儀なくされた.医療現場はCOVID-19の治療の最前線として,さまざまな医療者やスタッフが一丸となって取り組んでいる状況だろう.そのようななかでも新しい年はやって来るし,各施設では4月になり新人医療者をいつもと変わらず迎えたことと思う.本号が発行されるころには,すでに新年度の新人医療者教育がスタートしていることと思うが,昨年度と今年度は以前のような実施というわけにはいかず,感染予防に十分に配慮して実施されていることであろう.
筆者は医学科の学生への授業や実習を行っているが,2020年度は感染防止のために授業や実習の形態をかなり大きく変更せざるをえなかった.国内の医学・医療者教育がその対応を迫られた1).これまでは何の疑いもなく対面での授業や実習を行いその一部にe-learningなどのオンラインを利用してきたが,COVID-19の流行中にはそれが一気に逆転し,インターネットを利用した遠隔授業(オンライン実習や研修を含む,ここではオンライン授業/実習/研修と統一)へとほぼ全面変更となった.筆者も2020年度は授業のオンライン化に頭を悩ませ,始める前はオンラインに関してまったくの素人であったが,職場のスタッフと画策しながらオンライン授業の行い方を構築し,何とか1年を終えた.
さて,2021年度に入職された新人医療者の多くは,大学などでオンライン授業・実習を多かれ少なかれ経験されてきたのではないだろうか2).そういう意味では,これまでとは違った新しい形式の教育を受けてきた一期生ともいえる.オンライン授業・実習は感染予防のために国内はもとより世界中に一気に広がったが,感染の危険性がある程度落ち着いてきたとしても,対面とオンラインをブレンドした新しい学習方法は今後も進化を続けながら継続的に実施されていくものと思われる(図1).
ここでは主なリハビリテーション職である理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST)の新人教育でのオンライン研修をイメージしながら,筆者のこれまでの経験も織り交ぜてリハビリテーション領域における,オンラインシステムを用いた新人教育(新人研修を含む,ここでは新人教育と統一)について述べたい.
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