特集 耳鼻咽喉科診療における遠隔医療
遠隔医療の現状とこれから
遠隔医療の将来展望と課題
近藤 博史
1,2
Hiroshi Kondoh
1,2
1日本遠隔医療学会会長
2協立記念病院院長
キーワード:
遠隔医療
,
医療DX
,
見える化
,
統合
Keyword:
遠隔医療
,
医療DX
,
見える化
,
統合
pp.1220-1226
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000796
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遠隔医療の定義から
日本遠隔医療学会では「遠隔医療(telemedicine and telecare)とは,通信技術を活用した健康増進,医療,介護に資する行為」と定義している1)。必ずしも遠隔地とは言っていない。実際,コロナ禍では感染対策の意味で非対面のオンライン診療が活用された。また,働き方改革の目的でサラリーマンが職場の一室から受診するなどと言われている。一方,少ない専門家の診断を得るために病理診断,放射線診断が1990年代から行われている。つまり,遠隔医療の仕組みは過疎の離島僻地と都市部間のような遠隔だけでなく,①感染の危険など非対面を必要とする場合,あるいは,②患者または医療者側が対面するには時間や経費がかかり非効率的な場合に利用する仕組みと言える。
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