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教育講座
心臓リハビリテーションの現状と将来展望—リハビリテーション科医に期待すること
Current Status and Future Perspective of Cardiac Rehabilitation : Expectations for Rehabilitation Physicians
後藤 葉一
1,2
Yoichi Goto
1,2
1公立八鹿病院
2日本心臓リハビリテーション学会
キーワード:
心臓リハビリテーション
,
疾病管理
,
心不全
,
長期予後
,
参加率
Keyword:
心臓リハビリテーション
,
疾病管理
,
心不全
,
長期予後
,
参加率
pp.690-700
発行日 2018年8月17日
Published Date 2018/8/17
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- 参考文献 Reference
心臓リハビリテーションの定義と概念の変遷
1.心臓リハビリテーションの定義
心臓リハビリテーションの定義は,「心疾患患者の最適な身体的,心理的,社会的状態を回復および維持し,基礎にある動脈硬化の進行を抑制し,さらに罹病率と死亡率を低下させることをめざす多面的介入」とされる1, 2).これを受けて日本心臓リハビリテーション学会ステートメント(http://www.jacr.jp/web/about/statement/)では,「心臓リハビリテーションとは,心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し,基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制あるいは軽減し,再発・再入院・死亡を減少させ,快適で活動的な生活を実現することをめざして,個々の患者の『医学的評価・運動処方に基づく運動療法・冠危険因子是正・患者教育およびカウンセリング・最適薬物治療』を多職種チームが協調して実践する長期にわたる多面的・包括的プログラム」と定義している.
この心臓リハビリテーションの定義は,脳血管疾患や運動器疾患のリハビリテーションが「理学療法・作業療法を主体とする機能回復訓練」であるのに比べて,①長期予後改善をめざす,②運動療法だけでなく患者教育や疾病管理も含む多面的介入である,という2点において大きく異なっている.
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