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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
大きく変貌する循環器疾患の診療と研究
ニューロモデュレーションデバイスを活用した心不全治療の未来
Future of heart failure treatment strategy utilizing cardiovascular neuromodulation device
松下 裕貴
1
,
朔 啓太
1
Hiroki MATSUSHITA
1
,
Keita SAKU
1
1国立循環器病研究センター循環動態制御部
キーワード:
ニューロモデュレーション
,
自律神経機能
,
心不全
,
医療機器開発
,
循環動態
Keyword:
ニューロモデュレーション
,
自律神経機能
,
心不全
,
医療機器開発
,
循環動態
pp.1411-1417
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141411
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左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)において,the fantastic fourとよばれる薬剤を適切に投与することで全死亡率,心血管死および心不全入院のリスクは最大60%減少する.一方,標準的心不全治療の実施率は十分ではないとともに,病態としてデバイス医療が必要な患者は存在する.現状では,心臓再同期療法(CRT)と心臓除細動器療法だけがガイドラインで推奨されているが,適応は限定的であり,新しい治療コンセプトや技術創出が心不全パンデミックにある現代において急務である.自律神経は循環恒常性維持の主役である.また,多くの循環器疾患において自律神経の制御機構は破綻しており,交感神経活動の上昇や副交感神経活動の低下は,末梢臓器機能低下をも誘導する.つまり,自律神経調節の破綻は循環器疾患における重要な病態生理であり,介入ポイントである.電気や磁気,超音波などを用いて神経活動を制御することをニューロモデュレーションとよび,刺激技術や慢性植込み技術の進歩,対象疾患の拡大により,その開発や臨床応用が加速している.本稿では,循環器疾患におけるニューロモデュレーションデバイスの有用性と現状および課題を解説する.
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