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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
循環器病におけるゲノム・オミックス研究の将来展望
循環器病におけるゲノム研究は何を目指すのか?
Perspectives for genomic research in cardiovascular medicine
森田 啓行
1
Hiroyuki MORITA
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
ゲノム研究
,
遺伝リスク
,
遺伝子診断
,
機能ゲノム学
,
オミックス研究
Keyword:
ゲノム研究
,
遺伝リスク
,
遺伝子診断
,
機能ゲノム学
,
オミックス研究
pp.1190-1196
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141190
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循環器病の発症・進行には遺伝子変化が関与している.遺伝子変化-循環器病の関係性は,「心筋梗塞などcommon diseaseへの罹患しやすさは,複数のcommon variantに規定される」,「心筋症など単一遺伝子疾患は,遺伝子変異によって惹起される」という従来の仮説を超越した複雑系である.全国各施設間でデータシェアリングを行い,遺伝子変異-臨床経過の関係性をデータベース化すること,一般人口集団バイオバンクを利活用してゲノム疫学研究を推進し,polygenic risk scoring(PRS)を組み込んだ包括的リスク判定アルゴリズムを確立すること,それらの妥当性,有用性をリアルワールド,臨床現場で検証することが精密医療の実現に向けての課題である.また,実際に患者が有する遺伝子(ゲノム)変化を “源流” とするダウンストリーム病態を解明し,その知見に基づいて治療のターゲット分子を見出し,さらに新しい治療法を開発する,いわゆる機能ゲノム学(functional genomics)研究の推進は循環器病研究の発展におおいに貢献する.
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