増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—心エコー法(心筋症)
肥大型心筋症
福田 信夫
1
1国立善通寺病院臨床研究部
pp.185-189
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907729
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検査の手順
本症における心エコー検査の手順として,まず断層法で,心筋肥大の有無,程度と分布,左室内腔の形態と動態,左室壁運動および心筋内エコー性状を評価する.次に,Mモード法で心筋壁厚と内腔径を計測するとともに,僧帽弁と大動脈弁の運動様式を観察する.さらに,カラードプラ法を用いて左室内モザイク血流の部位と広がりおよび僧帽弁逆流血流の広がりを観察し,本法をガイド下にカラーMモード法で両血流の時相分析を,連続波ドプラ法で両血流の最大流速測定を行う.また,パルスドプラ法で僧帽弁口部および右肺静脈開口部での血流速波形を記録する.
断層法は,まず傍胸骨アプローチで左室長軸および短軸断層図を記録する.この際,探触子(プローブ)を通常の位置より下げて心尖部を含む長軸像を記録すること(図1),および腱索,乳頭筋,心尖部の各レベルで短軸像を記録することが大切である.次に,心尖部アプローチによる左室長軸,四腔および二腔の各断層像を描出し,左右両心室の立体的な構造や左室内血流動態を評価する.
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