特集 身近に潜む心筋症を診る―進歩する診断と治療
[Chapter 3] 心筋症各論
肥大型心筋症
久保 亨
1
1高知大学 医学部老年病・循環器内科学
キーワード:
肥大型心筋症(HCM)
,
突然死
,
サルコメア遺伝子
,
左室流出路閉塞
Keyword:
肥大型心筋症(HCM)
,
突然死
,
サルコメア遺伝子
,
左室流出路閉塞
pp.238-243
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_238
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★★★肥大型心筋症(HCM)の病因,臨床病型,予後はきわめて多様である.
★★約半数に家族歴が認められ,サルコメア遺伝子を中心に病的バリアントが同定される.
★HCMの診断においては,可能な限り二次性心筋症を除外する必要がある.
★左室流出路閉塞の有無および程度の把握には,安静時だけでなくValsalva負荷や運動負荷での評価も重要である.
★★生命予後は比較的良好であることが報告されているが,HCM関連死としては,突然死,心不全死,心房細動に伴う脳塞栓症死があり,若年者の突然死の原因疾患としては最も頻度が高い.
★突然死予防には植込み型除細動器(ICD)の植込みが有効であるが,一次予防目的の日米欧共通の植込み基準は確立されておらず,「心筋症診療ガイドライン」を参考にしながら患者ごとに検討を行う.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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