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特集 関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の診断と管理
わが国の症例報告例からみた関節リウマチ関連リンパ増殖性疾患の臨床病理学的特徴
Clinicopathological characteristics of rheumatoid arthritis-related LPD in Japanese case-reported patients
鈴木 康夫
1
,
若林 孝幸
2
,
倉林 賢慶
2
Yasuo SUZUKI
1
,
Takayuki WAKABAYASHI
2
,
Takayoshi KURABAYASHI
2
1東海大学名誉教授
2同医学部付属八王子病院リウマチ内科
キーワード:
メトトレキサート(MTX)
,
関節リウマチ(RA)
,
リンパ増殖性疾患(LPD)
,
医原性免疫不全
,
国内症例報告例
,
臨床病理学的特徴
Keyword:
メトトレキサート(MTX)
,
関節リウマチ(RA)
,
リンパ増殖性疾患(LPD)
,
医原性免疫不全
,
国内症例報告例
,
臨床病理学的特徴
pp.781-786
発行日 2022年11月19日
Published Date 2022/11/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28308781
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本稿では,関節リウマチ(RA)療経過中に発生するリンパ増殖性疾患(LPD)について,国内症例報告86例の臨床病理学的特徴を中心に解説した.症例報告のため特異症例が多く含まれ,また化学療法開始の基準や経過観察期間が一定でないため,さまざまなバイアスがある.しかし,平均年齢67歳,女性比率68.6%,RA罹病期間13.5年など,患者背景は国内の集積研究の結果と一致する.また,1例を除きメトトレキサート(MTX)が投与されており,MTX用量(平均週8.4mg),投与期間(平均7.0年)も国内の集積研究と差はなかった.節外病変の頻度は約80%と高く,障害臓器は肺,口腔内/咽頭,皮膚,消化管に加え,肝臓が多かった.病理組織型ではびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が多く,多形性LPDも一定数みられたが,反応性濾胞過形成(RFH)の頻度が少なかった.発症時の検査所見では,リンパ球減少(中央値568/μL)がみられ,可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)は約85%の症例が異常値を示した.
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