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特集 精神・神経疾患とω3不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸に着目した統合失調症病態メカニズムの理解と創薬の可能性
Understanding the pathophysiology of schizophrenia focusing on polyunsaturated fatty acids and its potential role for drug discovery
前川 素子
1
Motoko MAEKAWA
1
1東北大学大学院医学系研究科器官解剖学分野
キーワード:
脂肪酸
,
統合失調症
,
peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)α
Keyword:
脂肪酸
,
統合失調症
,
peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)α
pp.736-739
発行日 2022年8月20日
Published Date 2022/8/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28207736
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近年,統合失調症に関する数万人規模の大規模なゲノムワイド関連解析が実施され,多数のリスク遺伝子が同定された.特に,シナプス関連のタンパク質をコードする複数の遺伝子が同定されたことから,統合失調症の病態形成のひとつにシナプス機能不全が関わる可能性が考えられている.一方,統合失調症は多因子疾患であることが知られており,遺伝要因と環境要因が複雑に相互作用して統合失調症の病態が形成されると考えられている.統合失調症の病態形成に関わる環境要因のひとつとして,脳発達期の栄養欠乏が知られているが,統合失調症の病態形成メカニズムとの関連ついては,いまだブラックボックスの部分が大きい.本稿では,栄養素として特に “多価不飽和脂肪酸(PUFA)” に着目して,統合失調症の発症メカニズムの理解と創薬への応用の可能性を論じる.
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