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第6章 代謝系に作用する薬剤
[脂質異常症治療薬]
多価不飽和脂肪酸
南塚 拓也
1
,
横手 幸太郎
1
1千葉大学大学院 医学研究院内分泌代謝・血液・老年内科学
pp.876-879
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_876
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・多価不飽和脂肪酸製剤にはethyl icosapentate,omega-3-acid ethyl estersがあり,TG低下作用,血小板凝集抑制作用を有する.
・ethyl icosapentate(エパデールS,イコサペント酸エチル)は高脂血症のみならず,閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍,疼痛および冷感の改善にも適応がある.
・出血している患者では禁忌で,抗凝固薬や抗血小板薬との併用は慎重投与であり,手術前には休薬が必要である.
・JELIS試験,REDUCE-IT試験では,EPA製剤をスタチンへ上乗せすることで心血管疾患(CVD)イベントを抑制したというエビデンスを有する.
・冠動脈疾患や脳梗塞,糖尿病などの高リスク患者で,スタチンでLDL-Cが適切に管理された条件において,脳心血管イベントの予防目的として,高トリグリセリド血症に対するethyl icosapentateの併用投与が推奨されている.
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