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特集 精神・神経疾患とω3不飽和脂肪酸
自閉症スペクトラム症における多価不飽和脂肪酸の代謝の役割
Role of metabolism of polyunsaturated fatty acids in autism spectrum disorder
橋本 謙二
1
Kenji HASHIMOTO
1
1千葉大学社会精神保健教育研究センター病態解析研究部門
キーワード:
自閉症スペクトラム症(ASD)
,
グリホサート
,
母体免疫活性化
,
可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)
Keyword:
自閉症スペクトラム症(ASD)
,
グリホサート
,
母体免疫活性化
,
可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)
pp.760-762
発行日 2022年8月20日
Published Date 2022/8/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28207760
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多くの疫学研究から,妊娠期の感染,ストレスなどによる母体免疫活性化が子どもの自閉症スペクトラム症(ASD)の発症リスクを高めることが知られている.たとえば,妊婦の血液中の炎症性物質濃度(C反応性タンパクなど)が高いと,生まれた子どものASDの発症リスクが高いことが報告されている.母体免疫活性化による多価不飽和脂肪酸の代謝経路の異常は,ASDの発症に関わる可能性が示唆されている.本稿では,母体免疫活性化によるASDの発症機序における多価不飽和脂肪酸の代謝経路のひとつである可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)の役割と発症予防の可能性について考察したい.
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