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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
気づかれにくい発達障害であるディスレクシアへの支援
-――T式ひらがな音読支援の理論と実際
Support to dyslexia which is the neurodevelopmental disorders that it is hard to notice
――Theory and practice of the T-style hiragana reading aloud support
小枝 達也
1
Tatsuya KOEDA
1
1国立成育医療研究センターこころの診療部
キーワード:
ディスレクシア(dyslexia)
,
限局性学習症
,
T式ひらがな音読支援
,
解読指導
,
語彙指導
Keyword:
ディスレクシア(dyslexia)
,
限局性学習症
,
T式ひらがな音読支援
,
解読指導
,
語彙指導
pp.506-510
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205506
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ディスレクシア(dyslexia)とは,いわゆる学習障害(限局性学習症)の中核となる疾患で,知的な遅れはないにもかかわらず,文字の読みに著しい困難があり,それによって学習に支障をきたすものである.読めないと書けないので,書字の困難も伴う.そのため,発達性読み書き障害ともよばれる.米国精神医学会による診断の手引きやWHOの診断基準(ICD-11)には,限局性学習症のうち読字に困難を示すタイプの代替用語としてディスレクシアが登場している.文字とその読みとの対応(解読)が自動化しにくいことが基本病態である.文字の読み書き困難が主症状であるため,学校教育の問題と捉えられがちであるが,家族内での発症があり,海外では遺伝性が確認されている疾患である.わが国では公的に承認されたひらがな音読検査があり,医療として診断が可能となっている.また治療的な指導法として,T式ひらがな音読支援による解読指導と語彙指導があり,音読スキルの向上が期待できる.
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