特集 外来で診る発達障害――基礎知識 & よくある相談への対応
Ⅱ 知っておくべき基礎知識――診断基準・検査・治療の基本
4.限局性学習症
岡 牧郎
1
1国立成育医療研究センターこころの診療部児童・思春期メンタルヘルス診療科
キーワード:
限局性学習症
,
発達性ディスレクシア
,
書字障害
,
算数障害
,
合理的配慮
Keyword:
限局性学習症
,
発達性ディスレクシア
,
書字障害
,
算数障害
,
合理的配慮
pp.1211-1218
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002339
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学習困難を主訴として医療機関を受診する児童や,主訴は異なるがその問題の背景に学習困難が存在する児童は少なくない.限局性学習症(SLD)をはじめとした学習の問題は,それを抱える児童にとって重大であり,適切な支援が受けられない場合には,学習に対する疲弊や自己肯定感の低下などから学校不適応になったり,二次的に行動や情緒の問題が引き起こされたりする場合がある.また,学童期のみの問題に留まらず,その後の進路や就労にまで影響する.このため,小児科医は医学的な観点から学習の問題について知識を深める必要がある.学習困難に気づくことでその問題を家庭や学校で共有することが可能になり,その後の適切な支援や指導,環境調整につながる可能性がある.
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