Japanese
English
特集 精神科医療の必須検査—精神科医が知っておきたい臨床検査の最前線
非定型発達を評価するための検査とその結果の解釈—起立性調節障害の合併を疑った際の対応を含めて
Psychological examinations and other examinations and interpretation of the results when atypical development(neurodevelopmental disorders, etc.)and orthostatic dysregulation in children are suspected
山田 敦朗
1
Atsurou Yamada
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野
1Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Aichi, Japan
キーワード:
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
注意欠如・多動症
,
attention-deficit/hyperactivity disorder
,
ADHD
,
限局性学習症
,
specific learning disorder
,
SLD
,
心理検査
,
psychological test
,
起立性調節障害
,
orthostatic dysregulation
Keyword:
自閉スペクトラム症
,
autism spectrum disorder
,
ASD
,
注意欠如・多動症
,
attention-deficit/hyperactivity disorder
,
ADHD
,
限局性学習症
,
specific learning disorder
,
SLD
,
心理検査
,
psychological test
,
起立性調節障害
,
orthostatic dysregulation
pp.912-921
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207015
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抄録
子どもの診察においては発達の評価を行うことが必要であり,しばしば神経発達症の診断についても検討しなければならない。神経発達症は,正常との境界が不鮮明で連続線上にある,各疾患の境界が鮮明でなく重複や合併が多い,といった特徴がある。このため,診断がはっきりつかない子どもであっても,神経発達症の特性や発達の偏りについて評価する。また,子どもでは臨床的関与が必要にもかかわらず特定の診断がつかないケースが珍しくなく,発達の偏りの評価をすることで治療につながっていく。このほか,子どもでは心身症にもしばしば遭遇し,代表的なものに起立性調節障害がある。精神科医の立場からは心理社会的因子や環境因子を評価することが求められる。評価には各種の評価スケールが有用であるが,評価スケールの結果のみで診断はできない。主訴から始まって現症,現病歴,生育歴などを丁寧に確認し総合的に判断することが重要である。
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