Japanese
English
特集 口腔と全身疾患研究の最前線
歯周病と関節リウマチ
Periodontitis and rheumatoid arthritis
白柏 魅怜
1
,
橋本 求
2
Mirei SHIRAKASHI
1
,
Motomu HASHIMOTO
2
1京都大学大学院医学研究科臨床免疫学
2大阪市立大学大学院医学研究科膠原病内科学
キーワード:
関節リウマチ(RA)
,
歯周病(PD)
,
破骨細胞
,
抗シトルリン化タンパク/ペプチド抗体(ACPA)
,
PAD
Keyword:
関節リウマチ(RA)
,
歯周病(PD)
,
破骨細胞
,
抗シトルリン化タンパク/ペプチド抗体(ACPA)
,
PAD
pp.1051-1055
発行日 2021年6月19日
Published Date 2021/6/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277121051
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歯周病(periodontitis:PD)は30歳以上の成人では半数以上が罹患しているといわれるcommon diseaseである.PDは,口腔内だけではなく虚血性心疾患や動脈硬化などさまざまな全身性疾患に関わっており,PDの予防がこれらの疾患の改善にもつながる.関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)はPDが関わる全身性疾患のひとつである.PDとRAは疫学的に相関しており,遺伝学的,病態学的な共通項(骨破壊や炎症性サイトカインの関与など)を数多く有し,また双方向性に影響を与えている.近年,RAに特異度の高い自己抗体である抗シトルリン化タンパク/ペプチド抗体(ACPA)の産生に,特定の歯周病菌(Porphyromonas gingivalisやAggagatibacter actinomycetemcomitansなど)が関与する可能性が指摘されてから,PDとRAの関係は一躍脚光を浴びることになった.近年は,口腔細菌叢のメタゲノム解析を行い,RAの活動性や診断などとの相関をみる研究も行われつつある.本稿では,PDとRAの病態や自己抗体の産生への関与を中心に述べる.
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