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特集 ミトコンドリア病――病態解明を基盤とした治療薬開発
ミトコンドリアゲノム標的薬剤によるミトコンドリア関連疾患の治療法開発
Development of a new therapy for mitochondria-related diseases using mitochondrial genome-homing agents
高取 敦志
1
,
竹永 啓三
1
Atsushi TAKATORI
1
,
Keizo TAKENAGA
1
1千葉県がんセンター研究所がん先進治療開発研究室
キーワード:
ミトコンドリアDNA(mtDNA)変異
,
ミトコンドリア送達分子
,
ピロール・イミダゾール・ポリアミド化合物(PIP)
Keyword:
ミトコンドリアDNA(mtDNA)変異
,
ミトコンドリア送達分子
,
ピロール・イミダゾール・ポリアミド化合物(PIP)
pp.1135-1139
発行日 2022年6月18日
Published Date 2022/6/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281121135
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ミトコンドリアは独自のゲノムであるミトコンドリアDNA(mtDNA)を持つ.このmtDNAの異常が原因となるミトコンドリア病などの疾患に加えて,mtDNA変異が蓄積することで生活習慣病やがんの悪性化につながるのではないかとして注目されてきた.ミトコンドリアは二重膜で覆われたオルガネラであり,直接標的とする薬剤開発には課題が多い.特にmtDNAが存在するミトコンドリア内部(マトリックス)に対する創薬においては,ミトコンドリア送達分子の利用がはかられている.近年,DNA結合化合物をミトコンドリア内に送達することにより,変異を持つmtDNAを直接標的化することが可能であることがわかってきた.今後,ミトコンドリア病に対する薬剤開発のみならず,加齢に伴うトコンドリア関連疾患への応用も期待される.
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