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特集 ミトコンドリア――種々の疾患との関連と新規治療法のターゲットとしての可能性
ミトコンドリアと疾患・老化
-――ミトコンドリアを標的にした抗加齢創薬の開発と展望
Mitochondria and aging-related diseases
――Development of anti-aging drugs targeting mitochondria
柳 茂
1
,
椎葉 一心
1
Shigeru YANAGI
1
,
Isshin SHIIBA
1
1学習院大学理学部生命科学科
キーワード:
ミトコンドリア
,
MITOL
,
MAM
,
抗加齢創薬
Keyword:
ミトコンドリア
,
MITOL
,
MAM
,
抗加齢創薬
pp.445-449
発行日 2024年11月9日
Published Date 2024/11/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291060445
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これまでの多くの報告から,ミトコンドリアの機能異常が神経変性疾患や心疾患などさまざまな加齢性疾患の病態を増悪させていることは疑いの余地がない.近年,ミトコンドリアの機能維持には小胞体との連携が極めて重要であることがわかってきた.特にMAM(mitochondria-associated endoplasmic reticulum membrane)とよばれる両オルガネラ間の接触場は,ミトコンドリアの機能を調節する足場となっており,その破綻と疾患との関連が注目されている.筆者らは,ミトコンドリア外膜に局在するE3ユビキチンリガーゼMITOL(mitochondrial ubiquitin ligase)を同定し,MITOLがMAMを調節していること,MITOLの異常が加齢性疾患を引き起こすことなどを明らかにしてきた.本稿では,MITOLの役割とその異常,および加齢性疾患との関連を概説するとともに,最近明らかとなったMAMの新たな役割を紹介する.さらに,MITOLとMAMを標的とした創薬スクリーニングシステムの開発とその研究成果の一端を紹介したい.
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