Japanese
English
綜説
ミトコンドリア
The Mitochondria
佐藤 信紘
1
,
萩原 文二
1
Nobuhiro Sato
1
,
Bunji Hagihara
1
1大阪大学医学部生化学教室
1Department of Biochemistry, Osaka University Medical School
pp.184-195
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202358
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ミトコンドリアは,動物・植物から細菌にいたるまでのすべての好気的細胞に存在する微小な顆粒であって,基本的には内外2枚の膜と,それらに囲まれた部分とから成る。その基本的な機能は,有機物質のO2による酸化,すなわち酸素呼吸による高エネルギーリン酸化合物,ATPの生成1)2)(酸化的リン酸化反応)であるが,呼吸系への電子(e−またはH+)供与のための物質代謝(TCAサイクル,脂肪酸β酸化系,各種のアミノ酸代謝など),陽イオン・陰イオンの能動的透過4),膨潤・収縮などの内部構造や形態の変化などの諸機能もエネルギー転換と結びついている。本書ではミトコンドリアの構造について簡単に言及し,ミトコンドリアの最も基本的な機能のエネルギー転移反応について最近の知見を入れて詳しくのべたいと思う。
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