肝細胞癌切除後の長期成績向上を目指して
術後補助療法 養子免疫療法
大久保 貴生
1
,
高山 忠利
1日本大学 消化器外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
腫瘍再発
,
生存率
,
養子免疫療法
,
ランダム化比較試験
Keyword:
Hepatectomy
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Immunotherapy, Adoptive
,
Survival Rate
,
Randomized Controlled Trials as Topic
pp.537-540
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007209495
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肝癌補助療法として養子免疫療法の有益性をランダム化比較試験で検証した。1992~1995年に施行した肝癌治癒切除155例を免疫群(76例)と対照群(74例)割り付けた(不適格5例)。免疫群には5回の自己活性化Tリンパ球の投与を行った(移入細胞数平均7.1×10^10個/例)。観察期間4.4年の時点で、免疫群と対照群の3年、5年無再発生存はそれぞれ48%対33%、38%対22%と有意差を認めた(p=0.008)。免疫群の対照群に対する再発相対リスクは0.59(95%CI 0.40~0.88,p=0.01)であり、再発のリスクが41%低下した。養子免疫療法により肝癌術後再発が抑制できる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007