Japanese
English
特集 B型肝炎ウイルスに対する飽くなき挑戦
HBV RNA阻害薬
HBV RNA inhibitor
渡邊 丈久
1
,
田中 靖人
1
Takehisa WATANABE
1
,
Yasuhito TANAKA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学講座
キーワード:
RNA阻害薬
,
siRNA(small interfering RNA)
,
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)
,
RNA結合タンパク阻害
Keyword:
RNA阻害薬
,
siRNA(small interfering RNA)
,
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)
,
RNA結合タンパク阻害
pp.257-260
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103257
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B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムは肝細胞核内ではcccDNA(covalently closed circular DNA)として存在し,それをもとにHBVタンパクをコードするHBV RNAが転写される.RNA阻害薬はこれらを阻害する薬剤であり,核酸アナログ製剤(NA)で制御することができなかったHBs抗原(HBsAg)の産生を抑えることが可能である.数種類のHBV RNA阻害薬が現在開発中であり,臨床試験でも良好な成績を収めている.HBVタンパクを抑制可能なRNA阻害薬は,宿主の免疫疲弊を背景とする慢性のHBV感染を制御するために有効な手段と考えられる.一方で,従来の低分子医薬とは異なるアプローチである本薬剤は毒性の発現機序も異なるため,毒性の評価は十分に行う必要がある.また,RNA阻害薬はcccDNAの除去はできないため,実臨床では他機序の薬剤との併用療法が必要であると考えられる.
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