検査ファイル
HBV—アルブミンレセプター
飯野 四郎
1
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
pp.227
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901432
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HBs抗原陽性血の中のあるものにヒトアルブミンをグルタールアルデヒドで重合させてヒツジ赤血球に付着させたものを凝集させるものがあることは1972年に松橋直らによって見いだされた.その後1970年代の終わりになって,上記のポリアルブミンレセプター(poly human serum albumin recepter;PAR)活性はHBe抗原陽性血に認められ,さらに検討すると,この活性はB型肝炎ウイルス(HBV)粒子やHBe抗原陽性例のHBs抗原粒子に認められ,HBs抗原粒子でも,HBV遺伝子のpre-S2遺伝子から作られたHBs抗原(pre-S2抗原)に局在していることが明らかにされた.
一方,ヒトの流血中には老化したアルブミンが重合してポリアルブミン(PA)として存在し,これが肝細胞表面にあるPARに結合して,肝細胞の中へ取り込まれて,処理されているという考えがある.
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