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特集 B型肝炎ウイルスに対する飽くなき挑戦
TLR7アゴニスト
-――HBV感染に対する免疫作動薬
TLR7 agonist as an immunomodulator against HBV infection
森 泰三
1
,
考藤 達哉
1
Taizo MORI
1
,
Tatsuya KANTO
1
1国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝疾患研究部
キーワード:
TLR7アゴニスト
,
濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)
,
IL-21
,
OX40L
Keyword:
TLR7アゴニスト
,
濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)
,
IL-21
,
OX40L
pp.261-264
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103261
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B型慢性肝炎患者においてHBs抗原陰性化(functional cure)を達成しえる新規治療薬として,TLR7アゴニストの免疫活性と抗B型肝炎ウイルス(HBV)活性を検討した.ヒト免疫細胞を用いた培養系において,TLR7アゴニストは形質細胞様樹状細胞(pDC)を活性化し,サイトカインの産生とOX40Lの発現を増強することで,HBV排除に重要な濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)とHBs抗体産生B細胞を誘導した.また新規TLR7アゴニストをHBs抗原トランスジェニックマウスに投与すると,HBV特異的IFN-γ産生細胞を誘導し,HBs抗原陽性肝細胞を減少させた.同アゴニストは初回投与時に一過性のALT上昇を認めたが,肝細胞の合成能に影響を与えなかった.新規TLR7アゴニストはHBV感染症に対する免疫作動薬として有用である可能性が示唆された.
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