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特集 免疫系の概日リズム
関節リウマチの特徴を考慮した時間薬物療法
Chronotherapy in consideration of a characteristic of the rheumatoid arthritis
藤 秀人
1
Hideto TO
1
1富山大学学術研究部薬学・和漢系医療薬学研究室
キーワード:
関節リウマチ(RA)
,
時間薬物療法
,
生体リズム
,
メトトレキサート(MTX)
Keyword:
関節リウマチ(RA)
,
時間薬物療法
,
生体リズム
,
メトトレキサート(MTX)
pp.186-191
発行日 2022年4月9日
Published Date 2022/4/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28102186
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現在使用されている医薬品には,われわれがすでに知り得ているエビデンス以外にも,想像できないような “未知のポテンシャル” が眠っているかもしれない.筆者らは,“投薬タイミング(時刻)” を変えるという簡潔・明快な方法によって,既存薬の “眠っているポテンシャル” を呼び覚まし,現在の治療法と比較して,より高い治療成績が獲得できる時間薬物療法を多くの疾患に臨床応用できるよう研究している.関節リウマチ(RA)には,朝のこわばりという特徴的な日周リズムがある.この日周リズムを考慮したうえで抗リウマチ薬を投薬すると,より高い治療成績が得られるのではないかと考え,基礎・臨床研究を行った.RA発症によって,実験動物やヒトでは炎症反応などに明瞭な日周リズムが現れる.この周期性変動を考慮し,炎症などが高まりはじめる前にメトトレキサート(MTX)を投薬すると,より高い効果が得られることを明らかにした.本稿では,これらの研究成果の一端を概説する.
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