Japanese
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特集 ウイルスを創る,ウイルスを視る
フィロウイルスの粒子構造を視る
Structural insights into filovirus virions
藤田 陽子
1
,
野田 岳志
1
Yoko FUJITA-FUJIHARU
1
,
Takeshi NODA
1
1京都大学ウイルス・再生医科学研究所微細構造ウイルス学分野
キーワード:
エボラウイルス
,
マールブルグウイルス
,
クライオ電子顕微鏡
Keyword:
エボラウイルス
,
マールブルグウイルス
,
クライオ電子顕微鏡
pp.933-937
発行日 2022年2月26日
Published Date 2022/2/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28009933
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エボラウイルスおよびマールブルグウイルスは,一類感染症に指定されているウイルス性出血熱であるエボラウイルス病およびマールブルグウイルス病を引き起こす.これらのウイルス粒子はフィラメント状であり,その内部にはウイルスゲノム-タンパク質の超分子複合体であるヌクレオカプシドが取り込まれている.筆者らは,クライオ電子顕微鏡を用いて,ヌクレオカプシドのコア構造である核タンパク質(NP)-RNA複合体の構造を視ることで,NP-RNA複合体の分子構造を決定した.また,得られた構造情報をもとに機能的なヌクレオカプシドを形成するために重要な分子間相互作用を明らかにした.これらの相互作用を担うNPのアミノ酸は,エボラウイルスとマールブルグウイルスを含むフィロウイルス科のウイルスに広く保存されており,これらの相互作用を標的としたユニバーサルな抗フィロウイルス病治療薬の開発に貢献することが期待される.
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