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特集 新興・再興感染症と感染症対策
A.ウイルス
フィロウイルス感染症
Filovirus disease
梶原 将大
1
,
高田 礼人
1,2,3
Kajihara Masahiro
1
,
Takada Ayato
1,2,3
1北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター国際疫学部門
2ザンビア大学獣医学部
3北海道大学国際連携研究教育局(GI-CoRE)
pp.296-300
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200177
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エボラウイルスおよびマールブルグウイルスはフィロウイルス科に属し,ヒトを含む霊長類に急性の熱性疾患を引き起こす。フィロウイルス感染症(エボラウイルス病およびマールブルグ熱)の致死率は非常に高く,効果的な予防・治療法はいまだ確立されていない。2013年12月,ギニアで発生したエボラウイルス病は,西アフリカ諸国のみならず欧米でも感染者を出し,発生から1年以上経過した今も流行を続けている。この歴史的な大流行は,本来アフリカの風土病であったフィロウイルス感染症が,地球規模の公衆衛生上の脅威となり得ることを世界に知らしめた。本稿では,フィロウイルスについて概説すると共に,フィロウイルス感染症に対する予防・治療法,また,フィロウイルスの生態について概説する。
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