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特集 グローバル時代の新興再興感染症への科学的アプローチ
Ⅲ.デング・ジカ・SFTS・出血熱へのアプローチ
ラッサウイルス・エボラウイルスに対する創薬研究
Approach of drug-discovery against Lassa virus and Ebola virus
泉澤 文子
1
,
水谷 龍明
2
,
浦田 秀造
1
Izumisawa Ayako
1
,
Mizutani Tatsuaki
2
,
Urata Shuzo
1
1長崎大学感染症共同研究拠点人材育成部門
2京都大学ウイルス・再生医科学研究所細胞制御分野
キーワード:
ラッサウイルス
,
エボラウイルス
,
高病原性ウイルス
,
創薬研究
Keyword:
ラッサウイルス
,
エボラウイルス
,
高病原性ウイルス
,
創薬研究
pp.326-329
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201377
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ラッサ熱やエボラ出血熱(エボラウイルス病)は,一昔前までは限定された感染地域での封じ込めが可能だと考えられてきたことから,アフリカの風土病として位置づけられていた。しかしながら,2014-2016年の西アフリカ地域に端を発したエボラウイルスのアウトブレイクや,現在も流行がとどまることを知らないSARS-CoV-2によるCOVID-19にみられるように,これらの感染症対策は全世界的の緊迫した社会課題として顕在化した。筆者らは,ラッサウイルスやエボラウイルスといった高病原性ウイルスに対する新たな抗ウイルス薬の開発を目指し,ウイルスの特性,とりわけ細胞内複製機構や宿主免疫応答に着目した分子レベルの基礎解析を展開してきた。本稿では,ラッサウイルスのZタンパク質が有する多量体化機能に着目した新規の低分子化合物スクリーニング法1)と,その開発背景について概説する。
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