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特集 グローバル時代の新興再興感染症への科学的アプローチ
Ⅲ.デング・ジカ・SFTS・出血熱へのアプローチ
タンパク質の立体構造情報を活用した抗フィロウイルス薬の探索
Computational structure-based design of antivirals against filoviruses
五十嵐 学
1
Igarashi Manabu
1
1北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所
キーワード:
フィロウイルス
,
タンパク質
,
立体構造
,
コンピューター
,
薬剤設計
Keyword:
フィロウイルス
,
タンパク質
,
立体構造
,
コンピューター
,
薬剤設計
pp.321-325
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201376
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アレナウイルス,ブニヤウイルス,フィロウイルスおよびフラビウイルスのなかには,ヒトに感染すると重篤な出血熱を引き起こすものがある。このような出血熱ウイルスに対して承認された治療薬はほとんどない。出血熱ウイルスはほぼすべて危険度の高い病原体として位置づけられ,感染性ウイルスを用いた実験はBiosafety Level(BSL)-3またはBSL-4施設を備えた限られた研究機関でしか実施できない。そのため,治療薬の探索が十分に行われているとはいえない。筆者らは,タンパク質の立体構造情報とコンピューター解析を活用し,感染性ウイルスを用いない実験系を組み合わせることで,出血熱ウイルスに対する薬のシーズを探している。本稿では,フィロウイルスに的を絞り,タンパク質の立体構造に基づく薬剤設計(structure-based drug-design;SBDD)に関連する研究事例を概説する。
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