Japanese
English
特集 クライオ電顕が解き明かす神経変性疾患のメカニズム
タウ線維構造に基づいたタウオパチーの疾患分類
Classification of tauopathies based on cryo-EM structures of tau filaments
樽谷 愛理
1,2
,
長谷川 成人
1
Airi TARUTANI
1,2
,
Masato HASEGAWA
1
1公益財団法人東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野認知症プロジェクト
2University Medical Center Göttingen, Institute of Neuropathology, Structural Cell Biology Research Group
2University Medical Center Göttingen, Institute of Neuropathology, Structural Cell Biology Research Group
キーワード:
タウオパチー
,
タウ
,
アミロイド様線維
,
構造多型
,
クライオ電子顕微鏡
Keyword:
タウオパチー
,
タウ
,
アミロイド様線維
,
構造多型
,
クライオ電子顕微鏡
pp.1115-1120
発行日 2022年12月24日
Published Date 2022/12/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283131115
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アミロイド線維様に構造変化したタウが細胞内蓄積する神経変性疾患は,タウオパチーと総称される.近年,クライオ電子顕微鏡および解析手法の発展により,患者脳から抽出したタウ線維の三次元構造を得ることが可能となった.現在までにアルツハイマー病(AD)やピック病(PiD)をはじめとするタウオパチー患者脳由来タウ線維のコア構造が明らかにされている.これらのタウ線維構造は疾患ごとに異なるが,同疾患群内では共通であり,タウ線維の構造情報をもとにしたタウオパチーの疾患分類も示された.疾患を特徴づけるタウ線維コア構造は,タウオパチーにおける構造多型の形成だけでなく,その多様な病変形成をも説明すると考えられる.本稿では,クライオ電子顕微鏡単粒子解析により決定されたタウオパチー患者脳由来タウ線維構造について解説する.
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