Japanese
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特集 HPVワクチンと子宮頸がんHPV1次検診
HPVワクチンの有効性と8年にわたる接種率の低迷がもたらす負の影響
Efficacy of HPV vaccine and the negative impact caused by extremely low vaccination rates for eight years
八木 麻未
1
,
上田 豊
1
,
木村 正
1
Asami YAGI
1
,
Yutaka UEDA
1
,
Tadashi KIMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
キーワード:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス(HPV)
,
HPVワクチン
,
ワクチン勧奨
Keyword:
子宮頸がん
,
ヒトパピローマウイルス(HPV)
,
HPVワクチン
,
ワクチン勧奨
pp.754-758
発行日 2022年2月12日
Published Date 2022/2/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28007754
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日本では,年間約10,000人が子宮頸がんと診断され,約3,000人が子宮頸がんによって死亡している.すでにヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの導入に成功した国々からHPV関連浸潤がんの予防効果が報告されている.日本においても,CIN 3までの予防効果が報告されている.2021年11月26日に積極的勧奨差し控えは終了したが,HPVワクチン接種率が激減した世代のHPV16・18型感染率はHPVワクチンが導入される前の世代と同程度に戻っているという報告があり,有効性と安全性の確立されたワクチンの使用の欠如が健康格差を生じさせていると強く懸念される.長期間にわたる積極的勧奨の差し控えによってHPVワクチンの接種機会を失った2000年度生まれ以降の女性に対する対策が不十分であれば,将来彼女たちが負担を背負うこととなる.また,今も日本の母親たちの多くがHPVワクチンに対して不安を抱いており,勧奨再開後の接種率の速やかな上昇のために有効な対策を講じる必要があると考えられる.
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