特集 小児科医のためのHPVワクチンUPDATE
3.海外における子宮頸がんとHPVワクチンの状況
川名 敬
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1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野
キーワード:
ヒトパピローマウイルス
,
HPV
,
子宮頸がん
,
HPVワクチン
Keyword:
ヒトパピローマウイルス
,
HPV
,
子宮頸がん
,
HPVワクチン
pp.544-549
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001745
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ヒトパピローマウイルス(HPV)の性行為感染によって,子宮頸がんや尖圭コンジローマ(性感染症)をはじめとする疾患の原因となることがある.HPVワクチンは,生殖器に高力価の抗HPV抗体を誘導できることから性行為感染を高率に阻止できる.海外では,国家規模のデータとして,HPVワクチン接種者では,子宮頸がんの発生リスクが90%近く減少する研究結果が報告された.また,2007年から世界的に導入されたHPVワクチンが,その後14年間効果が維持されているデータも海外から報告されている.さらには,男児への定期接種が始まっている国もある.子宮頸がんのリスクが減少することが明らかとなった現在,子どもをがんや性感染症から守ることの重要性がクローズアップされる.
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